Olympia Market!! "Hawaiian Summer 2012"

7月のある日―。"Olympia Market!! Vol.2"の企画会議が、高齢者総合福祉施設オリンピア兵庫に併設のCafe Olympiaで行われました。"Olympia Market!!"とは、オリンピア兵庫が地域のみなさまに日頃の感謝の気持ちを込めて実施する、フードやドリンクはもちろん、コンサートあり、講演会あり、バザーに野菜市ありの、オリンピア兵庫の"いま"がぎっしり詰まったイベント。2月のVol.1が大好評で、「ぜひ次回もやってほしい」という声をたくさんいただき、開催が決定したのでした。

「2回目の今回はテーマを決めよう!」と、若いリーダーたちと熱い議論を交わした結果、誰にでもイメージを持ってもらいやすい、そして高齢者の方々にとってはある意味「あこがれの地」であった"ハワイ"をテーマにすることに決まりました。でも、いわゆる「施設の夏祭り」にありがちな「ハワイ風」のイベントにはしたくない、やるからには本気で"ハワイ"をやろう、ということを合い言葉に、プロジェクトはスタートしました。

 

まずはチラシ作り。今回も私の友人のデザイナーに依頼し、「人を集められるチラシ」を目指して製作に取りかかりました。青い空、青い海、白い砂浜を大胆に背景に配置し、メインタイトルの"Hawaiian Summer 2012"のフォントは、南国らしい雰囲気を出せるように"Gill Sans"を選びました。キャッチコピーは"オリンピア兵庫が南国の楽園に変身!?"に決定、ボディコピーも私が何度も練り直して書き上げ、とってもステキなチラシが完成しました。このチラシは、先日行われたLink Design Career Up School Vol.1「人を集めるデザインのコツ」の題材としても使われました。

続いて内容の企画。「本気でハワイを」ということですから、まずは"ハワイ"と聞いて連想するものを、思いつくだけ集めてみました。ロコモコ、ブルーハワイ、椰子の木、パイナップル、フラダンス、ウクレレ・・・。これらを実現するために、スタッフ総動員で準備を行いました。ハワイ料理の店に何度も足を運んで提供するフードの種類や味を確認したり、何十種類もトロピカルジュースを試作したり、お花屋さんにお願いしてハワイ風のフラワーアレンジメントを作ってもらったり、フラダンスの先生に出演交渉したり・・・。もっとも、ウクレレは、私(ウクレレ歴2週間)と友人が演奏することになりましたが。

準備は、オリンピア兵庫の利用者のみなさまにもたくさんお手伝いいただき、チラシの配布や室内の装飾、そして食材の仕込みを行っていきました。オリンピアでイベントをやるとき、最も大切にしているのは、"Through the Program"、すなわち、イベントそのものが目的なのではなく、そのイベントを手段として、何を実現するか、ということです。大きなイベントになればなるほど、必要とされる作業の種類と量は増えていきます。それだけ、利用者のみなさまの能力を生かすチャンスがあるということ。今回も、スタッフだけでなくオリンピア兵庫が一体となってイベントを創り上げることができたのが、何よりの収穫でした。

 

そして、ついに迎えた"Olympia Market!!"当日。朝早くから、スタッフがチラシをもって地域のお家や会社にPRにまわったり、フード・ドリンクの仕込みをしたりと、準備をがんばってくれました。

10:00、いつものようにみんなで記念撮影をして、いよいよオープンです。本当に楽しそうな雰囲気の伝わってくる写真になりました。オープンと同時に、地域の方やCafe Olympiaの常連さんなどが集まりだし、今回もとても活気あるスタートとなりました。

11:00、いよいよウクレレコンサートの時間がやってきました。元ミュージシャンの方の姿もちらほらあって、ちょっとドキドキしましたが、なんとかトークでフォローしながら乗り切ることができました・・・。

12:00、近隣の会社がお昼休みの時間の時間になると、お客さまの数はピークに。自信作のロコモコは予定を大幅に超えて77食が完売。途中でご飯が切れてしまって大慌てで炊き直したり、食事をするスペースが足りなくなって、テーブルや椅子を用意したりと、ハプニング続きではありましたが、来ていただいた方全員に楽しんでいただけるように、スタッフががんばってくれました。

13:00からは「ミニ福祉ゼミナール」として、2005年にオリンピア兵庫が実施した夢の企画「93歳のハワイ旅行―Let's go to Hawaii 2005」をテーマに、私が講演を行いました。思い返せば、常に新しいことに挑戦し続けるオリンピア兵庫のスピリットの原点がここにあったような気がします。実は今回のテーマが"ハワイ"になったのも、この旅行の鮮明な思い出があったからなのでした。

14:30、本日のメインイベントである、フラダンスのショーが行われました。神戸・西宮・大阪でご活躍の前田尚子さんとお弟子さん達によるショーは、本場のハワイを思わせるような雰囲気で、観客のみなさんもついつい自然に体が動いている様子でした。

そして15:00。会場のみなさまからの大きな拍手に包まれながら、"Hawaiian Summer 2012"は無事に幕を下ろすことができました。最後のお一人をお見送りしたとき、心地よい疲労感に包まれていることに気がつきました。

 

あっという間に後片付けを終えたあとは、その場で引き続きスタッフたちの打ち上げ。「最初からこれが目的だったのでは!?」と勘ぐってしまうほど、よく準備がされていて、もう一度バーベキューをしたり、サプライズでスタッフの誕生祝いをしたりと、"ハワイ"の余韻にひたりながら、引き続き楽しい時間を過ごすことができました。

そこで強烈に印象に残ったのは、スタッフひとりひとりの充実した笑顔。福祉の仕事は「きつい・給料安い・結婚できない」の"新3K"だと揶揄されることもある今日、これだけやりがいを持ってチャレンジしてくれている彼らを見ていると、絶対に今の福祉を変えていくことは出来るんだ、という自信を深めることができました。

 

今回も、数え切れないほど多くのみなさまのご協力で、"Olympia Market!!"を成功させることができたことを、心から感謝しています。ぜひ、次回のイベントにもご期待ください!

Tsukasa