ヴェクショーで迎える最後の朝。空を見上げると、充実した研修の締めくくりにふさわしい、澄み切った青空が広がっていました。Hotel Cardinalの朝食ともしばらくお別れです。
チェックアウトを済ませた私たちは、知的障害を持つ人たちの働く紙工房パッペリーアン(Papperian)を訪問しました。ヴェクショー市の障害福祉サービスのひとつであるこの場所は、街のメインストリートのすぐ北側に位置し、オシャレなショップが併設されていることもあって、一般の方や観光客にも大人気のスポットです。活動の様子についてお話を伺ったあと、工房の地下に移動して、紙漉きの工程を見せてもらうことができました。材料となる紙は市の印刷工場などで不要になったもの。細かく粉砕して水に溶かしたものを、木枠を使って漉いたあと、大きなプレス機を使って2度脱水し、鉄板に貼り付けて乾燥させます。この作業にオリンピアの3人も挑戦!! 完成したら送っていただくことになりました。
実はこのパッペリーアン、スウェーデンを代表する某企業との共同プロジェクトが進行中です。みなさんにお伝えできないのは残念ですが、2019年2月にお披露目されるとのこと。しばらくお待ちください!!
昼食までの時間を利用して、14年前に私が留学していたリンネ大学を訪れました。スッキリとした北欧デザインでまとめられた建物内は、日本の大学とは別世界のような雰囲気。前期、大阪大学で私が講義を担当していた交換留学生にも会って色々と話を聞くことができました。元気そうな様子に、こちらも一安心です。
さて、このリンネ大学の敷地内には、テレボーイ城(Teleborgs Slott)というお城があります。実はこのお城、現在はホテルとレストランとして営業しているので、ここでランチをいただくことになりました。ちょうど博士論文を提出した人のお祝いの会が開かれていて、正装したお客さんたちはお城の雰囲気にぴったりでした。味もさることながら、中世にタイムスリップしたかのような気分を味わえる、オススメの場所です。WEBサイトはこちら。http://www.teleborgsslott.com/
午後は、私が留学していたときからお世話になっている、クリスティーナ先生による「スウェーデンの高齢者福祉の歴史」のミニ講義。彼女が高齢者福祉の現場で活躍していた1970年代から現在までの歴史や変化について、社会的・政治的な背景も交えながらわかりやすく説明をしてもらいました。世界中から注目を集めているスウェーデンの高齢者福祉も、一朝一夕にできたわけではないということがとてもよく理解できました。彼女は現在、年金を受給しながら週1回の勤務となっていますが、体の元気なうちはこの仕事を続けたいとおっしゃっていて、一安心です。
さあ、ヴェクショーで残された時間はあとわずか。駅のすぐ南側にあるスモーランド博物館を訪問しました。ヴェクショーが位置するスモーランド地方の文化や産業について豊富な資料を展示しているこの博物館ですが、数年前から「居酒屋もし」と名付けられたレストランを併設しています。シンプルで和風な感じにまとめられたこのお店、地元の人たちから大人気になっています。中にはちょっと怪しげなメニューもありますが・・・(笑)
名残は尽きませんが、電車の時間が迫ってきました。今回も4日間、コーディネーター・通訳として大変お世話になった鈴木先生と涙のお別れをして、まずはお隣のアルベスタに向かって出発です。10分ほどで到着して、SJ2000という新幹線のような電車に乗りかえて、ストックホルムを目指します。心地よい揺れと研修の疲れもあって、ウトウトしている間に3時間ちょっとで到着。いつものように駅前すぐのところにあるNordic C Hotelにチェックインしました。
ヴェクショーとはガラリと変わって「都会」という雰囲気のストックホルム。 明日はスウェーデンの文化をしっかりと味わいたいと思います。
Tsukasa