オリンピアスウェーデン研修2017―その5

気がつけば、あっという間にヴェクショーで迎える最後の朝となりました。いつものことながら、充実した時間が過ぎるのはとても早く感じます。

朝食を済ませて、車に荷物を積み込み、野外幼稚園"Uteförskolan Äventyret" に向かいました。1日の大半を森の中で過ごす、ヴェクショーでも大人気の幼稚園です。いつも私たちの見学を担当してくれているヨナタン先生が、お子さんの病気でお休みになったので、代わりにヨハンナ先生が案内をしてくれました。今朝のヴェクショーはかなり冷え込んでいて、見学をしている私たちはガタガタ震えていたのですが、子どもたちはどこ吹く風。しっかり防寒着を着込んで、全身泥だらけになりながら、走り回ったり飛び回ったりしていました。この野外幼稚園、11年前に地域のスポーツクラブの建物を改造してオープンしましたが、この度、新しい建物に立て直すことが決まり、子どもたちはプレハブの建物を利用していました。これから、2020年のオープンに向けて、先生や保護者、そして子どもたちの意見を取り入れながら、スウェーデンで初めての野外幼稚園専用の建物ができるそうです。今からとても楽しみですね。

毎年訪れているこの幼稚園ですが、今回とても面白い話を聞きました。ヨハンナ先生によると、ここに子どもを預けている親には3つのタイプがあるそうです。1つ目は、病気がちな子どもの健康のために選ぶ人たち。2つ目は、親がアウトドアが大好きで、子どもにも経験をさせたい人たち。そして3つ目は、親はアウトドアが嫌いで自分たちで経験させたくないから、幼稚園に任せている人たち。何か日本にも通じるところがあるような気がして、思わず笑ってしまいました。

 

見学の後、リンネ大学に行って、看護福祉学部のソーシャルワークのコースの国際交流の担当の方と打ち合わせをしました。現在こちらでは、5週間の海外実習プログラムを行っていて、日本での受け入れをしてもらえないかというお話でした。4週間、日本の様々な福祉サービスの現場で学び、1週間は観光もできるというステキなプログラム。きっとオリンピアのスタッフたちにとっても良い刺激となりそうなので、喜んで協力したいとお伝えしました。うまくいけば来年の秋、学生さんを受け入れることになりそうです。

このリンネ大学、敷地内にはテレボーイ城(Teleborgs Slott)というお城があります。現在はレストラン、ホテル、会議場として利用されていて、ヴェクショーの人たちにとっても人気のスポットとなっています。せっかくだからということで、予約をしてランチを取ることにしたのですが、私たちが行ってすぐに満席になってしまいました。今日のランチはチキンのグリルか魚のスープ。料理の味も雰囲気も、最高の場所です。機会があればぜひお越しください!http://www.teleborgsslott.com/

 

午後からは、この研修では初めての訪問となる、ヴィーカホルムこども園(Vikaholms Förskola)を訪問しました。こちらの園長のイングリッドさんは、以前別のこども園の見学でお世話になっていた先生です。これまでにもたくさんの日本からの見学に対応してこられたので、とてもわかりやすく説明、案内をしてくださいました。ここのこども園でもテーマを用いた保育が行われていて、今年のテーマは「体」。それぞれの年齢に応じたレベルで、自分たちの体について勉強をしたり、体の絵を描いたり模型を作ったりしていました。ちょうどおやつの時間だったのですが、小さな子どもでも自分でサンドイッチを取りに行ったり、牛乳を入れたりと、ちょっとしたことでも「自分のことは自分でやる」ということが徹底されていました。

こちらの保育を見ていて驚かされるのは、iPadやディスプレイなど、様々なデジタル機器を小さな子どもたちに対しても積極的に使っているということ。新しいものをどんどん取り入れて、常に今よりも一歩先へ行こうとするスウェーデンのすごさが、こんなところでも垣間見られるような気がします。

 

見学の後は、4日間活躍してくれた、レンタカーのVolvo V90にガソリンを入れて精算をし、電車の出発までの時間、スモーランド博物館の中にある居酒屋「もし」で鈴木先生と一緒に最後のFikaをすることにしました。今回もお忙しい中、研修のアレンジ、案内、通訳をしてくださった鈴木先生には感謝の気持ちでいっぱいです。春にはまた日本に来られるそうなので、これまで研修に行ったメンバーで集まって、同窓会ができればいいなと思います。

 

さて、私たちは、ヴェクショーからアルベスタに行き、ストックホルム行きの高速鉄道SJ2000に乗り換え、一路スウェーデンの首都ストックホルムへ。最初の電車が遅れたせいで、アルベスタでスーツケースを持った乗客たちが猛ダッシュをしなければならないというハプニングもありましたが、研修の疲れからか、3時間半ウトウトしている間にあっという間に到着していました。

さあ、明日はいよいよお楽しみのストックホルム観光です!!

 

Tsukasa